そこが知りたい 2019(平成31)年3月号

医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドラインについて

 昨今,医療用医薬品に関する販売情報提供活動において,証拠が残りにくい行為(口頭説明等),明確な虚偽誇大とまではいえないものの不適正使用を助長すると考えられる行為,企業側の関与が直ちに判別しにくく広告該当性の判断が難しいもの(研究論文等)の提供といった行為が行われ,医療用医薬品の適正使用に影響を及ぼすおそれが懸念されてい る。このような状況を踏まえ,販売情報提供活動において行われる広告又は広告に類する行為の適正化を目的として,厚生労働省は「医療用医薬品の販売 情報提供活動に関するガイドライン」を策定した。このガイドラインは内容の一部を除き2019年4月1日より適用される。

 医薬品製造販売業者,医薬品卸売販売業者が行う 医療用医薬品についての販売情報提供活動が対象であり,活動の際に求められる要件,禁止する要件等 が下記のように定められている。

〇必要な要件

・効能・効果,用法・用量等の情報は承認の範囲内 であること

・提供する情報を恣意的に選択しないこと

・科学的及び客観的な根拠に基づく情報であること

・情報の引用元を明確にすること

〇禁止する要件

・虚偽もしくは誇大な表現,誤解を誘発させるような表現

・適応外の効能・効果,用法・用量の推奨(外国における承認内容であっても同様)

・根拠なく恣意的に特定の医薬品の処方,使用への 誘導

・他社製品の誹謗,中傷

・疾患等の症状の過度な強調,不安の扇動

・一般向けの疾患啓発において,医療用医薬品によ る治療以外に治療手段がないかのような誤認をさ せること

・その他不適正使用又は誤使用を誘発させるおそれ のある表現を行うこと

〇推奨される行為

・試験研究の結果を示す際にその試験方法も示す等, 正確な理解のための必要な情報の提供

・比較試験においては試験の設計と結果の正確な提示,ネガティブな情報についても正確に提供する

・厚生労働省やPMDAからの要求事項に関する情 報の提供

 また,医薬品製造販売業者等に対しては,適切に活動を実施するために教育の実施,手順書・業務記 録の作成・管理等の社内体制の整備を求めており,経営陣は業務上の行動に責任を負うことまでが明記されている。

 医療機関側から問い合わせることが多い未承認や適応外に関する情報についても記載があり,求めに応じて提供することは差し支えないとされている。ただし,通常の販売情報提供活動とは切り分けることや,要求者のみに要求内容に沿った情報を提供すること,情報提供に関する記録の作成・保管等が医 薬品製造販売業者等に求められている。なお,医療関係者・患者等から情報提供を求められていないにもかかわらず,求められたかのように装わないこと,とも明記されている。

 このガイドラインには,情報の受領者である医療 機関関係者に関しても責務についての記載がある。医薬品製造販売業者等が行う販売情報提供活動のあり方を理解し,提供内容・方法がこのガイドラインに則った適切なものであるかを客観的に評価することを私達に求めている。今後,このガイドラインに関するQ&Aも発出されるため,これらの内容を十分に理解し,提供される情報を正確に活用していく必要がある。

 

参考資料

・厚生労働省,医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン,2018年9月25日

(東京医科大学病院薬剤部 宮澤 祐輝)