プレアボイドフォーラム東京 2018

プレアボイドフォーラム東京2018が開催されました。

 

 

今年のプレアボイドフォーラム東京2018は、薬剤耐性アクションプランについて杏林大学医学部付属病院 医療安全管理部・感染対策室 西 圭史 先生、抗菌薬適正使用に関わる検査について東京ベイ・浦安市川医療センター 薬剤室 枦 秀樹 先生にご講演頂くとともに、東京都内の会員ご施設より、3施設の先生をお招きして、事例などを交えて活動報告をご講演いただきました。

 

 

[開催概要]

日時:2018年1月27日(土)13:30~16:30

場所:東医健保会館 2階大ホール 

共催:一般社団法人東京都病院薬剤師会、第一三共株式会社

 

 

[プログラム]

 

■製品説明

 

「糖尿病治療における最近の話題」 第一三共株式会社

 

 

■開会挨拶

 

一般社団法人東京都病院薬剤師会 副会長 篠原 高雄 先生 

 

 

 

■基調講演

 

「東京都におけるプレアボイドの現状」

 

一般社団法人東京都病院薬剤師会

医薬情報部プレアボイド推進小委員会 委員長 村松 博 先生

 

 

東京都におけるプレアボイドの報告件数の推移について報告されました。平成28年度の東京都におけるプレアボイド報告は、4116件と全国4位でした。5位だった岡山県が3035件から7743件と大幅に件数を増やし、東京都は報告件数が3895件から増えたものの、全国2位から4位へと順位を落としています。

 本講演では、事前アンケートで得られた回答をもとに、プレアボイド報告を増やすための取り組みについて述べられました。プレアボイドとRMP(医薬品リスク管理計画)について、自施設におけるRMPの利活用についての今後の取り組みをお話しされました。

今後とも、薬剤師職能評価でもあるプレアボイドにより一層ご協力くださるようお願いいたします。

 

 

■特別講演1

 

「一言、確認しておけば・・・と思わないように 

 〜症例:緑膿菌に経口第3世代セファロスポリン系は要確認〜」

杏林大学医学部付属病院 医療安全管理部・感染対策室 西 圭史 先生

座長:平成立石病院 湯本 敦 先生

IMS高島平中央総合病院  戸井田 愛

  

 

特別講演1では薬剤耐性(AMR)アクションプランについてご講演いただきました。

経口第3世代セファロスポリン系に焦点を当て、抗菌薬の適正使用による耐性菌の抑制・制御についてお話しされました。まずはアクションプランの成果指標について知ること、必然性のある抗菌薬を選択すること、選択をするための根拠を示すことにより、適正使用の結果が数値目標に達するための行動をしていく重要性をお話しされました。杏林大学医学部付属病院における薬剤耐性対策についてもお話して頂いたことで、今後アクションプランに取り組んでいこうと考えておられる施設の先生方にも大変有用であったのではないかと思われました。

 

 

■特別講演2

 

「抗菌薬適正使用に関わる検査のピットフォールとプレアボイド事例

 〜AMRに立ち向かうために適切な感染症サポートをしよう〜」

東京ベイ・浦安市川医療センター 薬剤室 枦 秀樹 先生

 

 

特別講演2では抗菌薬適正使用に関わる検査や投与量についてご講演いただきました。

 菌の判定基準と投与量には密接な関係があり、自施設もしくは外注先の感受性検査がCLSIの何年のガイドラインに準拠しているかを知ることの必要性をお話しされました。またプレアボイド事例をあげながら、抗菌薬の投与量はCLSI基準を元に、添付文書の最大量を投与することの重要性、臓器障害時の投与設計について発表して頂きました。薬剤師がAMR対策に貢献していくため、用量調節の考え方や重要性について再確認いたしました。

 

 

■プレアボイド推進にむけた活動報告

座長:東京都済生会中央病院 吉原 正和 先生

 

1.東京女子医科大学東医療センター 藤田 亜希子 先生

 

 

 

藤田先生には東京女子医科大学東医療センターでのプレアボイド活動について、2症例をもとに発表して頂きました。電子カルテ上でのテンプレート化により、時間をかけずに報告書を作成できるようにした報告の円滑化について発表されました。薬剤部内でプレアボイド事例の共有を行い、他の薬剤師へ注意を促す重要性を再確認いたしました。

 

 

2.東京都立多摩総合医療センター 浦山 泰典 先生

 

 

浦山先生には東京都立多摩総合医療センターにおけるプレアボイド活動状況、プレアボイド事例報告として内服薬への介入により低カリウム血症の進行を防いだ1例について発表して頂きました。医療安全のなかで薬剤師として薬学的技能を発揮するためには、より積極的に臨床現場で活動していく必要があることを述べられていました。

 

 

3.IMSグループ 明理会中央総合病院 長尾 幸恵 先生

 

 

長尾先生には明理会中央総合病院におけるプレアボイド事例として、血液内科病棟での5症例について発表して頂きました。抗がん剤の副作用や日々変わる状態を把握するために、ほぼ毎日患者さんに会いに行き、検査の結果を確認し記録に残す取り組みについて発表されました。患者さんの治療に少しでも貢献するために、薬剤師ならではの視点から患者さんの状態の観察をしていくことの重要性を再確認いたしました。

 

 

■総合討論

 座長:東京都済生会中央病院 吉原 正和 先生

 

 

 

 

 

東京女子医科大学東医療センター 藤田 亜希子 先生

東京都立多摩総合医療センター 浦山 泰典 先生

IMSグループ 明理会中央総合病院 長尾 幸恵 先生

 

 今回の総合討論では、フロアの様々な先生から色々なご質問やご意見などをいただき、演者の先生方からお答えいただきました。病院の規模や特性などにより、プレアボイドへの関わり方や頻度は異なりますが、今後とも継続してプレアボイド報告を行っていくことの重要性も再認識でき、どのようにプレアボイドを啓蒙していくか改めて考える良い総合討論となりました。

 

 

■閉会挨拶

 

一般社団法人東京都病院薬剤師会 会長 林 昌洋 先生

 

 

 

 

 

 

今年は「薬剤耐性対策について」というコンセプトで杏林大学医学部付属病院 医療安全管理部・感染対策室 西 圭史 先生、東京ベイ・浦安市川医療センター 薬剤室 枦 秀樹 先生にご講演頂きました。アクションプランへの取り組みを通し、改めて安全で適切な薬物治療を実践するために薬剤師の介入が重要であることが再認識できたのではないかと感じております。

 その後の施設報告では、様々な規模の病院の先生方からご発表をいただきました。プレアボイド報告について病院独自の工夫などを教えていただき、非常に有意義な時間であったと感じております。

 東京都において、プレアボイド報告件数が伸び悩んでいる現在、報告件数を増やしプレアボイドの裾野を拡げることを念頭に今後も啓蒙を行っていきたいと考えております。来年も魅力あるフォーラムを開催したいと思います。

(記 医薬情報部プレアボイド推進小委員会 戸井田 愛)