専門薬剤師養成部褥瘡領域薬剤師養成小委員会

平成15年に専門領域薬剤師特別委員会のもと立ち上げられた褥瘡領域薬剤師養成特別委員会は、褥瘡領域薬剤師養成小委員会と名称変更され、13年目を迎えています。

当委員会は、褥瘡に関わる全般的な専門知識を習得し、適正かつ有効な褥瘡治療を支援できる技術を身につけ、チーム医療に貢献できる薬剤師の育成を目指してきました。

主な活動として、1年間6回の1クールで研究会を行い、延べ600名の受講者を輩出しています。

各人がそれぞれの施設で学びえたことに経験を重ねつつ、日々奮闘されていることと思います。

2014年には研究会発足10年を区切りとし、第16回日本褥瘡学会学術集会に、「褥瘡領域薬剤師養成研究会の10年間の取り組みと今後の課題」をテーマにポスター発表し、見事ポスター賞を受賞しました。

日本褥瘡学会は、医師をはじめ看護師、栄養士、理学療法士、作業療法士などの多職種が集う学会であり、そこで薬剤師のための教育活動が表彰されたのは、驚きでもありました。

これは、東京都病院薬剤師会という組織が母体になり、継続して褥瘡領域の薬剤師養成活動を行ってきたことに対する評価だと思われます。

これまでの参加者からは、研究会に参加することによって、「独学で学んだことと新しい知識を合体することができた」「患者を疾患・栄養・物理的問題等総合的な面から把握し、診ることができるようになった」の感想、また研究会後の褥瘡チームへの関わりへの変化として、「他職種からの信頼が得られるようになった」「意欲が高まった」「他職種と一緒に考えることができるようになった」など、より積極的に取り組む姿勢が感じられました。

また、どのような内容がより興味が持てたかとの質問には、「軟膏の混合と褥瘡処置」や「体圧分散寝具とポジショニングの体験」の答えが多く寄せられています。

より実践的な体験が不足しているために、未だ褥瘡チームの中で薬剤師が積極性に欠ける原因がここにあるのかもしれません。

当委員会では、これらの意見を参考に、毎年研究会の講義内容を見直し、より会員の皆様に満足していただける会となるよう努めております。

超高齢者化社会を間近に迎えている今、褥瘡対策というのはより重要になってくると思われます。

これからは急性期病院、慢性期病院にかかわらず、褥瘡の予防及び治療に対応できる薬剤師の育成は必須と考えます。

栄養状態、褥瘡形成のもととなる疾患、そしてその疾患に伴う治療薬全般を考えられる薬剤師が褥瘡チームに参画することで、様々な角度から褥瘡を捉え、改善する手だてを講じていくことが可能となります。

そんな薬剤師育成に当委員会が一助になればと願い、委員一同力を合わせて、今後とも臨んでいきたいと考えます。

(専門薬剤師養成部褥瘡領域薬剤師養成小委員会 委員長 奥隅 貴久美)