プレアボイドフォーラム2013


プレアボイドフォーラム東京2013が開催されました。

 今年のプレアボイドフォーラム東京2013は、「病棟薬剤業務のなかで遭遇するプレアボイドと各施設の症例報告」を中心に開催いたしました。
 内容としましては、実臨床で遭遇する輸液療法領域におけるプレアボイドをご講演頂くと共に、東京都内の会員ご施設より、自施設での実症例をご発表頂きました。
 
[開催概要]
日時:2013年3月2日(土)14:00~17:15
場所:あいおいニッセイ同和損保新宿ビル 地下1階ホール
共催:一般社団法人東京都病院薬剤師会、株式会社大塚製薬工場
 
[プログラム]
■製品説明
「TPN輸液管理におけるリスクマネジメント」
           株式会社大塚製薬工場 
 
■開会挨拶
 一般社団法人東京都病院薬剤師会 会長 明石 貴雄先生
明石会長のご挨拶
 
■基調講演
 「東京都におけるプレアボイドの現状」
 東京都病院薬剤師会医薬情報部
 プレアボイド推進小委員会 委員長 小林 仁先生
 プレアボイドの報告件数の推移、東京都の報告件数について報告しました。平成23年度の東京都におけるプレアボイドは、1,844件と全国3位と非常に多い件数でした。しかし、報告をして下さる施設は、日病薬会員施設数の約10%であることから、「プレアボイド」をより多くの会員施設の先生方に理解していただき、1件でも多く報告していただけるよう今後も推進活動を続けていきます。
 
 
 
 
■講演
「輸液・栄養領域におけるファーマシューティカルケア」
東京医科大学八王子医療センター 薬剤部 高坂 聡先生 
座長:日本医科大学多摩永山病院 田杭直哉先生 
 
 
 
 
 
プレアボイド報告の中でも、輸液・栄養療法における報告は非常に少ない。しかしそこにはファーマシューティカルケアの必要なケースも多く存在していると思います。高坂先生には、その問題点と必要性をお話頂くと共に、日々臨床でご経験されているケアを、背景を踏まえてご提示いただき、明日への取り組みに生かせる内容となりました。
また、栄養管理のところでは、ファーマシューティカルケアに欠かせない処方設計の流れを解説頂くと共に、臨床上留意するポイントもお話頂きました。
今回ご講演頂いた内容は、臨床業務を行う上でより質の高いファーマシューティカルケアの実践に生かせる内容でした。また、その結果がプレアボイド報告につながるご講演をいただき、ありがとうございました。
 
 
■プレアボイド事例報告
 
 1.公益財団法人がん研究会 がん研有明病院 杉田一男先生
 
 
 
杉田先生の事例報告は、施設の特色を踏まえた「エルロチニブの皮膚障害に対する薬学的ケアの実践」について、経過を追って発表頂きました。その中で考察したことや行動、アウトカムをお話頂き普段目にしない部分を解説頂き、大いに参考になりました。また、プレアボイドを通じて、根拠を明確にし、効果と副作用両面から評価を行うようになったという感想もいただき、教育面での活用も有用なのだと思えました。
 
 
 2.医療法人社団明芳会 新葛飾病院 河原奈穂子先生
 
 
 
東京都の報告割合からも、中小病院からの報告は限られた施設からとなっており、その原因の一つにどのようなものを・・・といったことが聞かれておりました。
そこで河原先生には、中小病院の薬剤師として、実際に経験された6症例を発表頂くと共に、報告をする意義や報告しやすい環境整備の工夫などを発表頂きました。
さらに他職種間での情報共有や薬剤師の能力・意識の向上や信頼向上といった目的をもって活動されていることは大変参考になりました。
 
 
 3.東邦大学医療センター大森病院    濱田真紀子先生
 
 
 
濱田先生には東邦大森病院でのプレアボイド報告システムと症例を発表頂きました。東邦大森病院では、病棟担当薬剤師が症例介入報告用紙を記入し、定期的に症例報告会で報告を行うことで、多くの意見を踏まえて検証され、プレアボイドとして報告するかを決められているとのことでした。
また低カリウム血症の回避報告から、薬剤師と医師の会話形式を盛り込んだ発表を頂き、介入結果とその効果がとても分かりやすく今後の参考としたい内容でした。
 
 
■総合討論
 
座長:青梅市立総合病院 田中三広先生 
 
 
 
公益財団法人がん研究会がん研有明病院  杉田 一男 先生
医療法人社団 明芳会 新葛飾病院    河原 奈穂子 先生
東邦大学医療センター大森病院      濱田 真紀子 先生
 
 
 
今回の総合討論では、発表をもとに質問頂き、演者の先生方からお答えいただきました。またフロアからも、様々な先生から色々な質問やご意見などを頂きました。
どの施設においても共通することは、ただ単に報告をするだけでなく、それを行うことで、背景を考慮し、根拠を基に行動を行うことが意識され、その結果質の高いファーマシューティカルケアが行われていると感じました。
その上で、薬剤師の教育ツールとしてもその有用性は評価できるものだと感じていただけるフォーラムとなりました。
 
■閉会挨拶
一般社団法人東京都病院薬剤師会 副会長 林 昌洋先生
 
林副会長よりご挨拶 ご協力頂いた先生方
ありがとうございました。
 
今年は診療報酬改定を踏まえて「病棟薬剤業務のなかで遭遇するプレアボイドと各施設の症例報告」を題材にフォーラムを開催いたしました。
土曜日の午後ではありましたが、80名近くの先生方に参加頂き、多くの先生方がプレアボイドや今回の内容に興味をお持ちいただいていると感じました。
今後ますます病棟を含めた薬剤師の業務が大きく変革していく中で、アウトカムを示していく必要があり、プレアボイドの重要性がますます高くなってくると感じております。
今後も積極的にプレアボイドを報告し、本フォーラムを通じて広く臨床薬剤師の先生方へ還元することができるよう、来年も魅力あるフォーラムを開催したいと思います。
 (記 プレアボイド推進小委員会 亀村大)