プレアボイドフォーラム東京 2017

プレアボイドフォーラム東京2017が開催されました。

 

 今年のプレアボイドフォーラム東京2017は、病棟業務における腎機能低下患者への薬学的介入事例について昭和大学病院付属東病院 薬局 嶋村 弘史先生、糖尿病領域における腎機能低下患者への薬学的介入について下北沢病院 薬剤科 堀井 剛史 先生にご講演頂くとともに、東京都内の会員ご施設より、3施設の先生をお招きして、事例などを交えて活動報告をご講演いただきました。

 

[開催概要]

日時:2017年3月4日(土)13:30~16:30

場所:東医健保会館 2階大ホール 

共催:一般社団法人東京都病院薬剤師会、第一三共株式会社

 

[プログラム]

■製品説明

「糖尿病治療における最新の話題」 第一三共株式会社

 

■開会挨拶

一般社団法人東京都病院薬剤師会 会長 明石 貴雄 先生 

 

■基調講演

「東京都におけるプレアボイドの現状」

一般社団法人東京都病院薬剤師会

医薬情報部プレアボイド推進小委員会 委員長 村松 博 先生

 

東京都におけるプレアボイドの報告件数の推移について報告されました。平成27年度の東京都におけるプレアボイド報告は、3895件と全国2位でした。しかし、報告をしてくださる施設は、日病薬会員施設468施設のうち50施設とまだまだ低い状況にあります。

 また、優良事例数については前年度1位でしたが、今年は神奈川県につぐ2位となってしまいました。

今後とも、薬剤師職能評価でもあるプレアボイドにより一層ご協力くださるようお願いいたします。

 

■特別講演1

「病棟業務における腎機能低下患者への薬学的介入事例」

昭和大学病院付属東病院 薬局 嶋村 弘史 先生

座長:イムス富士見総合病院 亀村 大 先生

  

 

特別講演1では病棟業務における腎機能低下患者への薬学的介入事例についてご講演いただきました。

 プレアボイド報告の様式には3種類の様式があり、様式1は副作用の重篤化回避、様式2は副作用の未然回避、様式3は薬物治療効果の向上であります。本公演では様式1、2、3それぞれについて具体例を挙げられながら薬学的介入の方法についてご講演していただき腎機能低下患者に対して薬剤師が積極的に関与し、副作用予防を行っていくことの重要性をお話しされました。それぞれ様式別にお話ししていただいたことで、今後プレアボイド報告を行っていこうと考えておられる施設の先生方にも大変有用であったのではないかと思われました。

 

■特別講演2

「糖尿病領域における腎機能低下患者への薬学的介入」

下北沢病院 薬剤科 堀井 剛史 先生

座長:イムス富士見総合病院 亀村 大 先生

 

特別講演2では糖尿病領域における腎機能低下患者への薬学的介入についてご講演いただきました。

 糖尿病患者はそうでない患者と比較し、腎機能が低下している症例が多く、また服用している薬剤数が多い傾向にあります。その中で薬剤師がどのように関わっていくかを具体的に2症例挙げていただきながらご講演頂きました。糖尿病に対する薬は近年様々な種類の薬剤が開発されております。一方で近年販売開始となったSGLT2阻害剤は腎機能障害患者では効果が期待できない薬剤になっています。そのため、それぞれの薬剤の特徴を理解し、患者さんの訴え、病態を踏まえた薬学的介入が重要であることについてお話しいただきました。

 

 

■プレアボイド推進にむけた活動報告

座長:日本医科大学多摩永山病院 田杭 直哉 先生

1.東京都済生会中央病院 川久保 早紀 先生

川久保先生には済生会中央病院でのプレアボイド活動について、事例報告会で報告された2症例をもとに発表して頂きました。事例報告会を行うことで新人薬剤師への教育へと繋がり、プレアボイドの量・質ともに変化していることを発表されました。薬剤部内でプレアボイド事例の共有を行うことの重要性を再確認いたしました。

 

2.IMSグループ 高島平中央総合病院 戸井田 愛 先生

 

戸井田先生には、高島平中央総合病院におけるプレアボイド事例として、がんと感染に関連した2症例について発表して頂きました。

抗がん剤の副作用対策は治療を継続していくためにとても重要であることを再確認させて頂きました。また、抗菌薬のTDMはPK-PDを理解している薬剤師の職能の1つとして安全で適切な薬物治療へ貢献する方法の一つであることをお話しされました。

 

3.荒木記念 東京リバーサイド病院 柳 徹也 先生

 

柳先生には院内におけるプレアボイド報告推進対策についてご発表頂きました。その中で部内の薬剤師の意識が変化し、プレアボイドの報告件数が増え始めていること、プレアボイド報告が病院薬剤師の職能・職域の向上に関わる重要な行為であることが再認識されてとのことでした。また、今後の展望についてまとめていただけました。

 

 

■総合討論

 座長:日本医科大学多摩永山病院 田杭 直哉 先生

 

東京都済生会中央病院 川久保 早紀 先生

IMSグループ 高島平中央総合病院 戸井田 愛 先生

荒木記念 東京リバーサイド病院 柳 徹也 先生

 

 今回の総合討論では、フロアの様々な先生から色々な質問やご意見などをいただき、演者の先生方からお答えいただきました。病院の規模や特性などにより、プレアボイドへの関わり方や頻度は異なりますが、今後とも継続してプレアボイド報告を行っていくことの重要性も再認識でき、どのようにプレアボイドを啓蒙していくか改めて考える良い総合討論となりました。

 

■閉会挨拶

一般社団法人東京都病院薬剤師会 副会長 林 昌洋 先生

 

 

 

今年は「腎機能低下患者への薬学的介入」というコンセプトで病棟業務における腎機能低下患者への薬学的介入事例について昭和大学病院付属東病院 薬局 嶋村 弘史先生、糖尿病領域における腎機能低下患者への薬学的介入について下北沢病院 薬剤科 堀井 剛史 先生にご講演頂き、改めて安全で適切な薬物治療を実践するために薬剤師の介入が重要であることが再認識できたのではないかと感じております。

 その後の施設報告では、様々な規模の病院の先生方からご発表をいただきました。

 今回は昨年と同様、80名近くの先生方にご参加頂くことができました。

 東京都において、プレアボイド報告件数が伸び悩んでいる現在、報告件数を増やしプレアボイドの裾野を拡げることを念頭に今後も啓蒙を行っていきたいと考えております。来年も魅力あるフォーラムを開催したいと思います。

(記 医薬情報部プレアボイド推進小委員会 柏村 友一郎)