会長挨拶

会長 後藤 一美
このたび、令和7年度第27回通常総会において、東京都病院薬剤師会(以下、都病薬)の会長に就任いたしました聖路加国際病院の後藤一美でございます。会員の皆様の期待と希望にこたえられるよう精一杯努める所存です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
ようやくコロナ禍も明け社会は平静を取り戻し人流は再開され、多くの外国人が訪日することで業界によってはコロナ前の活気を取り戻しつつあります。
一方で医療は、継続する医薬品の供給障害とコロナ後遺症ともいえる経営難でその運営において多くの課題が顕在化しております。加えて、少子超高齢化の波は大きく、その対応として国策は、地域包括ケアシステムの実現と病院や薬局の機能分化を進めることでその役割を明確にし、患者さんをシームレスにケアできるよう医療・介護施設、薬剤師間の連携強化を強く求めております。
このような環境の中で患者さん一人ひとりに最善の薬物治療を提供するために薬・薬連携を推進していきたいと考えております。具体的には退院時指導書やトレーシングレポートの活用促進など病院薬剤師の関わりがとても重要であり、その実現のための研修会の開催など東京都薬剤師会との協働をより強化し進めていきたいと考えております。
また、働き方改革における医師の負担軽減策としてのタスク・シフト/シェア推進は、病棟薬剤業務の拡充など病院薬剤師のさらなる職能発揮が期待されるところですが、残念なことに病院における薬剤師の人員不足が深刻化し、都病薬会員ご施設におかれましても例外ではなく人員確保が急務となっております。
職能発揮の基盤は職場環境の整備であり、まずは人員の確保に始まり人材育成がその根幹をなすものと考えます。このような状況において都病薬では、これまで薬剤師の人員確保のために中小病院部を中心として薬学生に向けた病院薬剤師の働きややりがいを広く紹介することで新卒薬剤師の雇用機会を創出し、一定の成果を挙げているところであります。
さらに、今年度は、これまでの雇用推進事業を継続しながら、新卒のみならず中途あるいは再雇用などについても東京都事業を活用してより有効な雇用促進策を実行してまいりたいと思います。
さて、かねてより日本病院薬剤師会にて導入されております会員管理システム(以下、シクミネット)への移行も、都病薬として本格的に進めてまいりたいと思います。具体的には会員名簿の電子化、会費納入や会誌の電子化など当会ホームぺージの改修をもって実現する計画であります。シクミネット導入の目的は、DX の推進による事業・業務運営の効率化、省力化にあり、会員の皆様のシクミネットへの会員情報の登録などご理解とご協力のほどお願い申し上げます。
一方で Web システムの普及により会議や研修会はその開催様式を大きく変え、これまでの移動に係る時間や会場スペースなどを削減する効率的な働き方や自己研鑽の機会を得ることにつながりました。しかし、近年会員の皆様の研修会への参加が減少しており、あらためて薬剤師が求める自己研鑽のあり方を検討し、参加者増に向けて具体的に取り組んでまいりたいと思います。
さらに、いつ起きてもおかしくないといわれている都市直下型地震において都病薬としての重要な役割を果たすべく、昨年度より東京都における災害薬事コーディネーターを都病薬からも選任し、今後の具体的な方策、仕組み作りに参画してまいります。今後の防災に向けてより具体的な取り組みを会員の皆様と共有し、ご意見をいただきながら実効性のあるものにしたいと考えております。
最後に、薬剤師一人ひとりがしっかりと実現したい自分を捉え、そこに向かうための動機づけを大切にし、会員の皆様が描く未来像に近づくことのできるように会務を遂行していきたいと存じます。どうか都病薬の事業、活動にご理解とご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
2025年7月
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