会長挨拶

                               

 19回通常総会において,東京都病院薬剤師会(以下,都病薬)の会長に再任いただきました。会員の皆様からご支持いただきましたこと真摯に受け止め,理事の皆様,委員の皆様と共に会務充実に取り組んでまいる所存です。

 新型コロナウイルス感染症の流行は,都民の皆様に感染対策や行動自粛という変化をもたらし,医療現場には病床逼迫と通常診療の圧迫という問題を投げかけています。こうした中,本年2月に始まったワクチン接種は医療提供体制を維持する意味でも,感染者・重症者を抑える意味でも大きな期待がかかっています。迅速な接種体制確保のために医療職の連携が求められており,私たち病院・診療所勤務薬剤師も出来ることから積極的に参画する姿勢が必要と考えています。

 困難な業務運営が続く中ではありますが,昨年都病薬が担当した日本病院薬剤師会関東ブロック第50回学術大会は,50年の歴史の中で初めて完全 Web 形式として開催し3,622名のご参加を得て成功裏に終えることが出来ました。学術大会の企画・運営を担った皆様,大会に参加された会員の皆様,ご支援いただいた皆様に心より感謝申し上げます。この困難を乗り越えた経験をレガシーとするのではなく,With コロナ時代の標準として生かし,都病薬の会議や研修会の IT 化・Web 化を加速させる契機とすることができました。現在,同日・同時刻に3件の委員会・部会と500人規模の研修会を開催しうる Web システムを導入し,新たな時代の会員の皆様のご期待に応えうる体制を確保しております。

 病院・診療所薬剤師を取り巻く医療環境は日々変化しています。厚生労働省医政局を中心に検討が進められている医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフト / シェアの推進に関する検討会では,医師と薬剤師が協働で作成したプロトコールに基づき薬剤師による薬物療法のベネフィット・リスク最適化への貢献が引き続き求められています。また,本年8月に施行される改正医薬品医療機器等法では地域連携薬局と専門医療機関連携薬局が規定されており,地域医療構想・地域包括ケアシステムのもと入退院支援,ポリファーマシー対応をはじめ地域における多職種協働マネージメントへの進化が求められる時代となりました。

 医療を取り巻く環境変化への対応は大切ですが,一方で薬剤師としての専門職能の本質は変わりありません。本会として,会員の皆様の職能発揮を支援できるよう事業を展開していきたいと考えております。都民・国民の皆様の健康と最善の薬物療法のために会員の皆様と共に取り組んで成果を挙げていきたいと考えております。会員の皆様,本会をご支援くださる全ての皆様,引き続きご指導,ご助力いただけますようよろしくお願い申し上げます。
 

2021年6月3日   会長 林 昌洋